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技術情報

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  (1) テクスパン工法に関する文献紹介
  (2) 坑口の竹割施工について
  (3) 曲線と傾斜施工について
  (4) 基礎地盤について
  (5) 坑口壁工について
  (6) 適用される土被りについて
  (7) 地震時の検討について
  (8) 現場計測について
  (9) アーチ部材の縦断連結方法について

 (1) テクスパン工法に関する文献紹介

 PDF(17 KB)

 文献について紹介いたします。

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 (2) 坑口の竹割施工について

 竹割り坑口部の構造は、異形アーチ部材を現場打ちRCビームで連結するものであるから、施工時の異形アーチ部材には支保工が必要となる。支保工の種類は施工時のアーチ内空利用計画により、適切なものを選定する。
 写真はH鋼と鋼管パイプを使用した簡易な持保工による施工例を示している。現場打ちRCビームと異形アーチ部材は異形アーチ部材に設置されたアンカーボルトにより連結される。
持保工概要図
異形アーチ部材の架設状況

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 (3) 曲線と傾斜施工について

 テクスパン工法設計施工マニュアル(案)には平面線形として『平面線形は単一の断 面形状を標準とするアーチ部材を使用する場合には、直線または直線に近い線形の ものを対象とする。』また縦断勾配について『縦断勾配はアーチ部材の据付け時に支 保工を用いない通常の施工方法では、最大6%程度までとする。』の記載がある。
 施工実績では、異形アーチ部材を使用しての平面線形(曲線施工)は100〜31R程度 があり、支保工等を使用して対応した縦断勾配の最大値は10〜11%程度である。ア ーチ部材製作、施工手法等の技術向上により、現在はマニュアル作成時の状況と比較してかなり適用範囲が拡張されている。
 また施工実績はないが、縦断勾配が変化するような線形も考えられるが、この場合も異形部材により対応が可能となるものと考えられる。
曲線施工の例(31R)

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 (4) 基礎地盤について

 テクスパンの基礎の選定方法は安定性、構造性、経済性を考慮し、1番最適な形状を選定する必要がある。選定基準としては、用途(河川の護岸兼用か、水路抱き込み式か)、構造(テクスパンの鉛直力、土被りに耐えられるか)、地盤(良好か軟弱か)を満たした上で、もっとも経済的なものを採用する。選定規準、構造細目は次表の通り。

帯状基礎 逆T基礎
形 状
用 途  
地 盤 良好
経済性
特 徴 支持地盤がカルバート直下にあり、基礎の近くに障害物がない場合に使用される。基礎にかかる鉛直力が大きくなった場合、部材の厚さが大きくなるので逆T基礎の方が経済的になる。
 
形 状
用 途 抱き込み水路
地 盤 良好
経済性
特 徴 支持地盤が浅い場合、側溝や舗装などの障害物をかわさなければならない場合、帯基礎では部材厚が厚すぎる場合などに使用される。重力式基礎に比べ鉄筋量が多いが、コンクリート量は少ない。
重力式基礎   インバート式基礎
形 状
用 途 護岸併用
地 盤 良好
経済性
特 徴 支持地盤が浅い場合や護岸を併用場合に用いる。逆T基礎に比べ、鉄筋量は少ないが、コンクリートボリュームが多い。底板幅が逆T基礎と同様であれば重力基礎の方が経済的に有利になる傾向がある。
 
形 状
用 途 抱き込み水路
地 盤 比較的軟弱
経済性
特 徴 独立基礎では不等沈下が予想される場合、支持力が不足している場合に用いる。中央部に大きな曲げモーメントがかかるため、鉄筋量が独立基礎に比べると多く、コンクリートボリュームも多い。
杭基礎    
形 状
用 途  
地 盤 軟弱
経済性  
特 徴 支持層が深い場合に用いる。工事費は高価なものになる。周囲の地盤との沈下差が生じるため、土被り5m以上のものに対してはFEM解析などで鉛直土圧係数の見直しをする必要がある。
   

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 (5) 坑口壁工について

 テクスパンの坑口壁は、テラトレールメッシュパネルを用いた垂直の補強土壁と、現場打ちの化粧壁より構成されることを標準としている。テクスパンの坑口壁に要求される性能としては、

  1. 盛土施工中のアーチ部変形に対して追従できるような柔な構造であること
  2. アーチ部材に集中荷重が作用しないこと
  3. アーチ形状に合わせた現場作業(パネルの加工切断等)が容易であること

等 が挙げられる。

 一般にメッシュタイプの表面材による補強土壁は、上記の条件に適合すると考えられるため、その種の工法は適用の可能があるものと考えられる。
 また壁面緑化を目的とした傾斜壁の適用も可能であり、施工実績も有している。ただし傾斜補強土壁適用時には、坑口部アーチ部材の土被りが0m以下となる場合が多いため、側方土圧が卓越する荷重モードとなり、曲げモーメントが大きくなること等に留意する必要がある。
 以下に一般的な化粧壁の構造を示す。構造は部材厚300mm程度の現場打ちRC構造である。化粧壁と補強土壁はL型アンカーを介して接続される。L型アンカーは補強材(ストリップ)にボルトで固定されている。
 化粧壁の施工は盛土による補強土壁の変位収束を確認して行うのが良い。またアーチ部材と化粧壁の接触部には目地材を設置することが望ましい。

化粧壁の構造概要

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 (6) 適用される土被りについて

 テクスパン工法設計施工マニュアル(案)には、適用範囲として『土被りは交通荷重が作用する位置では舗装厚さを考慮して1m程度を最小とし、内空幅とアーチ部材の関係から、20m程度を最大とする。』と記載されている。最小土被りは交通荷重の分散効果を考慮して設定し、また最大土被りは標準的な部材厚(40cm以下)で対応できる範囲、および鉛直土圧係数割増の問題等を考慮して設定している。
 上載盛土が傾斜している場合は、アーチに偏土圧を作用させて応力解析、部材断面検討を実施して適用している。この場合土被りの小さい坑口付近の荷重状態の時、アーチ部材に大きな曲げモーメントが発生することが多い。
 マニュアルに記載されている標準的な適用土被り範囲(1〜20m程度)外の場合は、通常の設計手法に追加して、作用荷重、変位等を適切に評価できる手法により構造安全性を確認する。

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 (7) 地震時の検討について

 テクスパンは地中構造物であるため、その地震作用は主として周辺地盤の変位に支配される。従ってそのような地中構造物の地震時挙動を、比較的簡便に近似しえる方法として一般的な応答変位法を採用している。具体的には地震時の地盤変位を算出し、その変位を解析モデルに静的に与えて、地震時応力を計算する。また地震時の基礎安定検討は従来の震度法によっている。
 テクスパンの地震時挙動は、縮尺模型による振動台実験によると、トンネル横断方向に対しては2次元FEMによる動的解析でその挙動を説明でき、現行の簡易な応答変位法による設計の妥当性が示されている。
 またトンネル縦断方向については、強固な部材の連結はかえって部材応力増加につながるため注意を要する等の知見を得ている。※)

※)例えば『テクスパン工法を用いたトンネルの地震時挙動に関する研究:早稲田大学工学部土木工学科,株式会社テクノソール』

応答変位法による検討フロー例

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 (8) 現場計測について

 現場計測には以下がある。

A計測: 日常の施工管理のために必ず実施する計測項目で、内空変位計測、基礎沈下測定等を行う。
B計測: 規模、地盤条件等に応じ計測Aに追加して実施する計測項目で部材応力測定支点反力測定、クラウン部回転量測定等を行う。
C計測: 必要に応じて実施する計測項目で土圧測定、温度分布測定等を行う。

 これまでに上記計測が、現場条件に応じて多数実施されている。B,C計測が適用された現場条件としては、

1. 高土被り、偏土圧等の荷重条件あるいは低土被りで特殊活荷重(重ダンプ、TBM)が作用するなどテクスパンに比較的厳しい荷重条件となる場合
2. 適用地盤が比較的軟弱でインバート基礎、杭基礎等の基礎形式を採用した場合
3. 旭川、帯広といった寒冷地に適用された場合

等が挙げられる。
 原則としてB,C計測を計画する物件は、未経験な設計・施工条件が適用され、かつその挙動を調査することがテクスパンの構造安定性の確認になるか、あるいは今後の設計・施工手法の発展に寄与すると判断されるものである。

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 (9) アーチ部材の縦断連結方法について

 一般的な縦断方向連結はPC鋼棒を使用して行う。連結数量はトンネル横断面内あたり4箇所で、アーチ部材幅(1.25mが標準)と同寸法の鋼材をアーチ部材に設けた縦断方向連結孔に挿入し、目地位置で専用カップラーにて連結して伸張していく。
 孔と鋼棒の空間にはグラウト材を充填する。連結区間はテクスパンの縦断勾配、最大土被り高、アーチ形状、地盤条件況等に応じて適切に設定する。なおこの縦断方向連結はアーチクラウン部の縦断方向変位に伴う、アーチ部材の捩れ変形を抑制することを主目的とてしている。
 また縦断勾配、最大土被り高、地盤条件等により比較的大きな縦断方向変位が予測される場合は、通常のPC鋼棒による連結以外に現場打ちRC構造の梁(頂部ビーム工、脚部ビーム工等)を計画することがある。この場合、ビーム工とアーチ部材はアンカーボルト等で連結される。

頂部ビーム工、脚部ビーム工の説明図

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